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Wiiはヤバイ:「Wiiスポーツ」「エレビッツ」「ゼルダ」 [ゲーム]

 12月2日に無事発売された任天堂の新世代ゲーム機Wiiですが、これはヤバイです。数年ぶりに時間を忘れてゲームするという経験をしてしまいました。恐ろしいことに本体に何時間遊んだか強制的に記録される機能がついているのですが、発売された週末の記録を見てみると、土日と各7時間以上遊んでいます。嫌なことに、30分から2時間くらい、一つのゲームを遊んでは休憩を入れ、それからまたゲームがやりたくなって手を伸ばすという過程までもが一部始終記録されているのです。任天堂ー。

 おかげで現在、私は自主規制として「本の要約終わるまでWii禁止」という禁止令が出ています。だってヤバイんですもの。ああー、小学生時代のファミコンのときでもこんなことなかったのに。私は中学受験の前日もファミコンで遊んでいた人間なのに(威張れない)。中途半端に歳とると嫌ですね!
 そんなわけで、現在は馬の前のニンジン状態で、要約を1章終わらせるごとに、「エレビッツ」を1回やっていいというルールでやっております。そ、その程度のお許しはなければ、人間、モチベーションは保てない。
 …結局、禁止していないじゃんというのは、その通りなのですが。


  ちなみにこのWiiですが、話題が盛り上がるにつれ、予約戦線も加熱するのを尻目に、母がいきつけの百貨店のゲーム売り場に、外商を通じて予約を入れるという非情極まりない手段によって入手しました。資本主義万歳。いや、ちゃんと9月の時点で動いた私は悪くないはずです。

 一緒に買ったゲームは「ゼルダの伝説:トワイライトプリンセス」「エレビッツ」「Wiiスポーツ」「はじめてのWii」。…ちょっと買いすぎではないかという部分に関しては、いろいろ事情があるのです。
 最初は「ゼルダ」のみを予約していたのです。しかしいろいろと情報をあさるにつれ、「エレビッツ」は面白そうであるという話が、私のアンテナにびびっと。コナミスタイルで直接通販すると、1割引で送料無料でぬいぐるみが2体ついてくるという部分が後押しして、なにかの拍子にぽちってしまいました。「ゼルダ」で謎解きに疲れた合間にやるのにちょうどいいかなとも思いまして。結果的に、それは大正解だったのですが。
 「Wiiスポーツ」と「はじめてのWii」に関しては、優しい母が「他にゲームは買わないの?」と聞いてくれまして。母がそのように興味を示してくれるなら、親とゲームで対戦するというのは私の長年の夢でしたから、直感操作で対戦命の「Wiiスポーツ」をお願いしようかなと。そうなると、対戦用にコントローラーことWiiリモコンがもう一つ必要ですから、リモコン付きの「はじめてのWii」も買うことに。
 みごとな泥縄です。


 早く動いたおかげで、任天堂サイトの「社長が訊く」インタビューを読み続け、Wii体験会のレポートをあさり、アメリカ発売のお祭り騒ぎも見、発売前日には気分が高まるあまり頭の中は「ぜるだぜるだぜるだ…」と呪文がこだまする有様でした。

 そうしてようやく手に入れたWii。おもむろにリビングのTVに接続し、電源を指し、上にセンサーバーをちょこっと置いて、椅子の上という特等席に縦置きにしたWii本体を乗っけてそのフォルムを鑑賞し、リモコンによりスイッチオン。おおー。
 思っていたよりスムーズな起動に感心しつつ、慣れないポインティングデバイスのリモコンを操作しながら年月日や時間の設定を行い、まず最初にすることはMii作成。Wiiには本体に、Miiという似顔絵キャラを作る機能がついているのです。顔の輪郭や髪型など、適度な数のパーツから選んでいってそのサイズを変えたり角度を変えたりもして、まず自分の顔を作り、次に母の顔を作り、おもむろに「はじめてのWii」パッケージをあけてもう一つのリモコンを取り出し、「Wiiスポーツ」を開封してスロットインドライブに挿入。ちょっと差し込んだだけで力強く吸い込まれていく有様にまた感動しつつ、「さあ、対戦しましょうか」と。

 まだわけがよくわかっていない母に、リモコンを持たせ、ストラップをきちんと手首にかけることを指示して、紆余曲折ありながらも収録された5種類のスポーツの中からテニスを選択します。
 ちゃんと自分の顔のMiiを選んで、母の分も作ったんだよと言いながら、それぞれの利き手を選択して、あとはボールがきたら振ればいいだけということで、ゲーム開始。
 「振るって、これを振るの?」と、謎の行動を取り続ける娘に対し、訳がわからなかった母も30秒で感覚を掴みました。ビバ直感操作。本当にボールがきたタイミングで、実際のラケットを振るようにリモコンを振るだけですから。移動は自動で行われます。フォアハンド、バックハンド、上から下からも振るだけで自由自在です。
 ただし、ラケットのようにリモコンを振り回すからには、当然周囲にはある程度の空間が必要となります。私の自室ではちょっと無理です。だからこそリビングに設置したのです。母は食器棚の角にリモコンをごつんとやっていました。人間は学習する生き物ですので、次第に感覚もつかめてきますけど。
 しかしこれが楽しいのです。ボールを打ち返し続けるという非常に単純な行為が、新鮮で楽しくて仕方ない。ただし疲れます。2ゲームやったところで「適度な休憩をとりましょう」というメッセージが出て、なんて親切なと思っていたのですが、実際にそれくらいで疲れて小休止ということになります。

 テニスは疲れるということで、次はボーリングを。胸の前に掲げたリモコンを、Bトリガーを押しながら振りかぶって、投げるタイミングでBトリガーを離して投擲、という操作です。
 今度は左右の空間はいりませんが、ある程度前後の空間が必要です。しっかりひざまずくような投球動作したあげくに、なかなかスペアすら取れない状況に、そのままひざを付いてがっくりうなだれるところまで再現していたのも悪いのかもしれません。あ、そのまま前に倒れてソファにダイブして懺悔ってのもやったな。
 試合は白熱しました。テニスもそうなのですが、十数年来のゲーマーである私と1年前に脳トレからDSにはまった母との間でスキルの違いがありません。Wiiの前では誰もが初心者というのはまったくその通りで、だからこそ楽しくて仕方ありませんでした。
 母もまんまとはまったらしく、私が疲れて休憩している間も、一人でボウリングの練習をする始末。


 お、おかげでリビングからWiiを持ち去るタイミングを逸してしまったーと思いつつ、母が別の用事をしている間に私は本体機能をいろいろ試したり、父と弟のMiiも作ったり、「ぜ、ぜるだがやりたいんだけどな…」と思いつつ、はじめたら1時間は余裕で経過するであろうゼルダをリビングでする気にはなれず、「エレビッツ」投入。

 これがまた、大当たりなのです。一人称視点の亜流FPS(ファーストパーソンシューティング)で、左手に持ったヌンチャクユニットで移動を行い、リモコンをポインティングして画面を指し示しながら、ボタンを押すことでビームを出して、画面内を逃げ惑うエレビッツという生き物を捕らえていくというゲームです。リモコンのカーソルをそのまま画面の端に持っていったら視点移動が行えたり、そこそこ動きにコツがいるのですが、丁寧なチュートリアルによって問題なし。
 ビームはいわゆる重力銃で、当て続けることで物を掴んで動かしたりということもできます。舞台は現代地球とほとんど変わらないとある家庭から始まるので、デスクやテレビなど見覚えのある家具にそのまま触ることができます。触っているという感覚があるのは、リモコンの移動センサを利用して、引き出しにビームを当て続けたまま、リモコンを(実際に)手前に引くと引き出しをあけることができる、といった動作が取り入れられているからです。当然、ドアのノブはつかんで回します。蛇口もひねります。

 動きはそんなに大きくする必要はありません。座って手首を返したり、肩の動きだけで引く程度で大丈夫です。慣れないと多少の難しさはあって、ドアくらい自分の手で開けよと思ったりするのですが、ビームでやるということには理由もあって。
 この世界には電気エネルギーなどは存在せず、すべてを不思議な生き物エレビッツの出す力でまかなっています。そこに何らかの異常が起こって地球でいうところの停電状態になった中、エレビッツを捕まえながら原因を探っていくというのがゲームのシナリオです。
 だから、エレビッツを捕まえてパワーを溜めていくことで、銃はパワーアップします。そうするとどんどん重い物も持てるようになって、最初は自分の手でも持てるくらいの重さしか動かせなかったものが、ステージの終わり近くでは、棚をまるごと放り投げたりデスクを投げたりやりたい放題です。エレビッツを捕まえれば、電気(のようなもの)が回復して部屋も徐々に明るくなっていきますし、各種電化製品のスイッチも入れられるようになります。スイッチを入れるとまた中から大量のエレビッツが飛び出してくるので、それを待ち受けて捕まえまくるという血も涙もないゲームです。

 それにしても、この主人公はあとで両親にこってり怒られること確実。ステージが終わるころには、ものの見事に部屋ぐちゃぐちゃですから。自分の部屋はまだしも、廊下もぐちゃぐちゃ、リビングもぐちゃぐちゃ。アッパーミドルなご家庭らしく、最新のDVDプレイヤーや大画面液晶TVもあったりするのですが、エレビッツを捕まえる大義名分のもと、それらを投げ飛ばしまくります。非道です。壊れないのが不幸中の幸いです。食器は割れます。
 ステージは時間制限制で、その中で規定数のエレビッツをつかまえワットをためるとクリアというルールですが、時間制限はそれほど厳しくなく、また暴れまわっているだけで楽しいので失敗してもあまり苦痛にならず、もう一度やろうかという気になれます。
 絵はリアル系ではないのですが、作りこまれた家具類と「触っている」感覚、物理演算が行われているらしく、一つを動かせばそれに応じて他のものも動いていく(下を抜けば上の物が落ちる)なだれ現象。それがもたらす、ひっちゃかめっちゃか状態。リアルなんだけど、ゲームの中でしかできないこと(散らかしまくり)をしている感覚が、もうたまりません。


 そんなこんなではまっていると、また母の視線を感じて、おずおずと「テニス、やる?」と聞いてみたり。
 ぜ、ぜるだは、ぜるだはーと思いつつ、30分くらい交互の繰り返しで、夕食時までWiiはリビングに拘束されたままでした。なむー。
 なおこれは後日談ですが、ゲームという名のつくものを触ったことがない父とも対戦に成功しました。個人的に感無量です。

 そんなこんなで、夜遅くになってから、そっと自室でWiiの電源をいれ、いよいよ「ゼルダ」。ああ、この日をどんなに待ったことか。
 今回は最初からどんどん出来ることが多く、剣を振ったり馬に乗ったり次から次へとやらされますが、一方で謎解きもばんばん来ます。最初の村を出る前にすでに、軽くダンジョンクリアしたくらいの感覚です。これがまた頭を使うので、どうみても一見さんお断りだよなーと思ったりもします。古き良きゲームの伝統を強烈に感じます。
 ただその一方で、何か違和感があったことも確かなのです。あれほど待ち望んだゼルダなのに、なぜか「ん?」と思ったりする。消せない物足りなさがあります。考えてみましたが、私が昼間にやったのは「新しい」ゲームたちでした。それに対してこのゼルダは「古い」ゲームなのです。ああ、こういうことなのかと、痛烈に感じました。重厚にして長大、たっぷり時間と手間暇をかけて作りこまれたゲームらしいゲーム。おそらく今の日本でも最高傑作であろう作品。しかし新世代のゲームを触った後では、それはいかにも古い。

 気づいたときには、かなりの衝撃でした。ど、どうするんだとかなりうろたえたのも確かです。しかし目の前の謎を一つ一つ頭をひねりながらクリアしていくうちに、ちゃんとこの世界にも「再び慣れていく」自分がいました。これはこれで新鮮な感覚でした。
 リモコン操作はほぼ問題ありません。軽く振ることで攻撃という部分に、多少の慣れがいる程度です。リモコンで画面を狙ってパチンコを撃つのは楽しいです。左手でのスティック移動は、もちろんなんの問題もなし。
 こんなの分からないよ、な謎も、少し休憩を入れているとぱっと解決がひらめいたりします。いきなり最初のダンジョンから滅茶苦茶に広くて、この後どうなっていくのかと心配になったりもしましたが、むしろそれはゲーマーとして受けて立つべき挑戦でしょう。

 …ただ、その前に、本の要約終わらせないとヤバイんですけどね。私が。


 そのようなわけで、Wiiというのは大変にヤバイゲーム機であることを主張したかったのです。
 ああ、これはヤバイよー。楽しすぎるよー。なんてものを作ってくれたんだ、任天堂ー。
 私はこの12月に本を要約するのみならず、ルポルタージュにしかなっていない原稿を論文になるまで書き直したり、授業での発表の準備をしたり、やることは山のようにあるのに。
 ぜ、ぜるだが思いっきりやれるのはいつの日か。年末年始か。しかし年明けには、また修士論文の構成発表会が。ぎゃー。

 ぜるだぜるだぜるだ…。と唱えても無駄な呪文を繰り返しつつ、とりあえず目の前の要約を終わらせるべく、今は石にも噛り付く気構えで頑張っているところです。いいモチベーションを提供してくれたと思うことにします。うん。
 ぜ、絶対、要約がおわったらとりあえず1日はゼルダ漬けの日を取るんだからな! 覚えてろッ!!
 と白い小さなゲーム機に向かってつぶやきつつ。

 幸せにして不幸せな12月は過ぎていくのでした。
 きっと。


任天堂
Wii:http://www.nintendo.co.jp/wii/index.html
社長が訊く:http://www.nintendo.co.jp/wii/topics/interview/vol1/index.html
Wiiスポーツ:http://www.nintendo.co.jp/wii/rspj/index.html
ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス:http://www.nintendo.co.jp/wii/rzdj/index.html

コナミ
エレビッツ:http://www.konami.jp/gs/game/Elebits/
コナミスタイル通販:http://www.konamistyle.jp/ecitem/item33228.html


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コメント 2

迫真の記述にnice!でした!!!
by (2006-12-16 21:25) 

Aa

yutakami先生、こんばんは。
おかげさまで要約は今日、無事に終わりました。A4で50ページ以上、つ、疲れた・・・。というわけで、さっそくゼルダ漬けの休日を。ああっ、すみませんすみません。
いやこのゲーム機、本当に楽しいです(とさりげなく責任転嫁)。

広告ネタで言えば、リモコンを振り回して操作することから(そのような操作が必要なのはWiiスポーツくらいですが)、すっぽ抜けてリモコン飛翔という被害が出、手首につけるストラップの紐が太いものに無償交換されるそうです。
http://www.nintendo.co.jp/wii/news/strap.html
そのためにCMも切り替えて全面広告打つとか。
今の大量広告を全て差し替える決断もすごいなと思いますが、どんな感じで広告してくるのかなーと実物にも興味があります。

でもたぶん、これで売れ行きが鈍るってことはないんでしょうね。
結局のところ本当に勢いがある企業っていうのは、そういうことなんだろうなと思うのです。
by Aa (2006-12-17 00:33) 

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