SSブログ

中間セッション-民間(地方)から中央へ:民主党「プラトン」記 [ブロガー懇談会関連]

 この記事は12月10日に行われた民主党シンクタンク「プラトン」設立記念シンポジウムの様子を、私がとったノートを元に再構成したものです。もしかしたら記憶違いなどもあるかもしれないことを、あらかじめご承知おき下さい。指摘などいただけましたら、訂正します。


 さて、会はインターミッションセッション、「都市間FTA提案」へと進みました。提案者の黒川勝横浜JC理事長と紹介役の大塚耕平参議院議員が壇上に上がられます。

 まず大塚議員さんから横浜JCマニフェストの紹介(資料として冊子が配られていました)。青年会議所のネットワークを使って公開討論会なども行っているんですという紹介。

 それから黒川さんが提案者として発言なさいました。まず青年会議所というものについて、これは20代から40代の企業経営者の集まりですということ。全国で4万人の会員がいること。世界でも120ヶ国にネットワークが広がっていることなどが紹介されます。
 今はマニフェストを出して公開討論会をするという形式が政治でも一般的になっているが、まだまだ候補者任せな部分がある。そこでこちらからもマニフェストという形で意見を出そうとしてるんですというお話。
 横浜の中田市長は目立ちたがりというか新しいもの好きな方なので、負けないようにこちらからも提案を出していきたいという話。それには自分たち得意な分野=経済からの提言と、横浜という都市は横浜トリエンナーレ(3年ごとに開かれる国際現代美術展)を行っている関係から、文化・芸術面での提案を行っていることが説明されます。

 実際冊子にも、経済と文化に関して6つの提言が載っています。
 そのうちの1つに都市間FTA(自由貿易協定)構想があるということ。これからの都市間競争をいかに勝ち残っていくのか、また一方で(都市同士の)協調も必要である、その答えの一つとして都市間FTAを提案したいとのことでした。
 WTO(世界貿易機関)は世界を網羅する貿易協定を出す、一方で特定の国対国で結ばれるFTA(自由貿易協定)がある。それを都市対都市でも行ってはどうかという提案だそうです。そして教育や情報、人材の交流や投資などの分野でも交流を深めていきたいと。
 様々な相手都市に対して、その特徴に応じた、その特徴を活かした形で交流(FTA)を進めていきたい。例えば現在姉妹都市関係にあるバンクーバーと、横浜市民であれば関税なしで自由に買い物が出来たり、企業間の取引も活発になったり誘致が行われたり、そういう活性化を目指しているとのことでした。


 そういった都市間FTAによって広がる可能性を語る一方で、実現のハードルということも口にされます。それでも民間NPO団体として政策立案に参加する事の意義。実務経験のある経済人が政治を語る事、このような民間シンクタンクが複数立ち上がることで競合が行われること、民間発祥ならではの規制にとらわれないカウンタープランを出すことの意義などを主張されました。
 あと実際に行ってみて予想以上の反響があったこと。各種マスコミにも取り上げられ、行政からも注目を受けた事が説明されます。

 ここで大塚議員さんが話を引き継いで、先ほど「実現のハードル」という言葉が出たけれども、霞ヶ関とその政治家は民間に政策立案なんて出来ないと軽く見ているところがある。日本人というのは出来ない理由を考える天才だから・・・というお話を。
 黒川さんはそれに対して、外交は国の課題なのか?という問題提起をされました。少し前までは都市国家というものも存在したし、今も一部では存在している。都市の動き(前のセッションで出た言葉で言えば自治)をある程度自由裁量で認めてもらってもいいのではないかという提言。
 それから都市間FTAの効能についてもう少しアピールされ、マニフェストの中でこちら(青年会議所側)もスタンダード企業という形で、どのような企業を求めまた認めていくのか明らかにしていることなどを説明されます。

 大塚議員さんが「行政の反応ということでしたが・・・」と尋ねられ、黒川さんは思ってもみなかった反響があったと。それは例えば今回この場所に来て、こうして提案の機会を与えられていることもそうであると語られます。そして他の青年会議所にもこの動きは広がっていると。
 大塚議員さんはそれに対して(民間からの)いい提言を国や行政がどれだけ取り上げていくかが今後の課題だと思っているということ。そのための政党を越えた議員連盟も今作ろうとしていることを述べられます。
 さらに黒川さんが(横浜青年会議所という)380人の組織が、(上記のような)動きを作り出すところまで発展した。今はこういう提言も取り上げてくれる人がいる時代であることを語られます。その中で市民自治や地方分権といった、前のセッションでも出てきたキーワードも語られました。

 最後に進行役の松井孝治議員さんが、現場の人のアイデアが、民間や地域が政策立案するトリガーなることを期待していることを語られます。


 私としては、話のポイントは後半にあったかなと。都市間FTA提案そのものよりも、そのような民間からの提案をこれからの政治は期待していますよ、このシンクタンクもまたそういった性質をおびているんですよというアピールかと思いました。
 こうしてまとめてみると、大塚議員さんや松井議員さんが上手くその方向に話を誘導したような感もあります。

 まあ実際のところ、民間からの提言というものがどれくらい政治の世界で重視されていくのかは不透明ですけど、少なくとも受け入れようとしてくれている人(議員さん)たちはいるのかなという印象。それは例えばブロガー懇談会なんかにしても、とりあえずやってみようとしてくれる印象と重なりますが・・・。

 あとは前のセッションからのキーワードである、「自治」や「地方分権」ですね。私はこのあたりが民主党と自民党の違いになってくるのではないかという予感を、薄々感じ始めていました。
 もちろん自民党も地方分権などは推進していくわけですが、自民党が語る地方分権と民主党が語る地方分権は色合いが違うように感じられます。そこのところを上手く言葉にするのは難しいのですが・・・、自民党だとどうしても旧来の分配の党というしがらみ(つまり中央から地方へという流れ)を抜けきれない予感がするのに対し、民主党はより市民活動的に地方から中央へという流れを作っていくのではないかなと。

 それはどちらがいいということではないです。民主党の市民活動っぽさにも、足腰の弱さとか目に見える弱点はたくさんあります。ただ、自民と民主がどう違うのかと考えていく段階で、こういった違いがなんとなく見えてきた気がしました。

 ちなみに民主党は議員さんを呼ぶ時に「先生」呼び禁止だそうです。呼ぶと小宮山洋子衆議院議員に100円取られるとか。これは議員さんを先生と呼んだ人は一律に徴収されるのか、先生呼びを許した議員さん側が払わされることになるのか、微妙に気になります。
 ともあれ私も民主党議員さんに呼びかける場合、先生と付けたほうがいいんだろうかというのは密かに気になっていましたので、これで肩の荷がおりました。

参照リンク
BigBang:民主党シンクタンク「プラトン」設立記念シンポジウム---(3)インターミッションセッション~第2セッション
実況ブログ:インターミッションセッション
トラックバックセンター:民主党シンクタンク「プラトン」設立記念シンポジウム


 民主党「プラトン」記
 民主党シンポジウムに行きませんか? -人柱募集中-
 やっぱり微妙に珍獣でした:民主党「プラトン」記
 開会-シンクタンクはどこに位置するか?:民主党「プラトン」記
 第1セッション-国民を味方にするために:民主党「プラトン」記
 中間セッション-民間(地方)から中央へ:民主党「プラトン」記
 第2セッション-コミュニティソリューション:民主党「プラトン」記
 最終セッション-民主党の模索は続く:民主党「プラトン」記
 -
 まとめ-共感による協力、広報の必要性:民主党「プラトン」記


nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。