開会-シンクタンクはどこに位置するか?:民主党「プラトン」記 [ブロガー懇談会関連]
民主党が新しく立ち上げたシンクタンク「プラトン」の設立記念シンポジウムに行ってきました。民主党ホームページで参加者を公募していたのですが(参照)、その中にブロガー枠での募集もあったので、それに応募しての参加です。公式ニュース記事はこちら。
前回の懇談会の時も書きましたが、地方人にとって何よりもまず大切なのは、会場まできちんと到達する事なのです。というわけで、「えーとどこ行くんだっけ、代々木?(六本木です)」とかボケをかましつつ、朝の7時にこちらを出てお昼前に品川駅に降り立ち、駅のホームで昼食がわりのカロリーメイトをかじって、さらに環状線-地下鉄と乗り継いで六本木ヒルズへ。
オサレな街に都会だーと感心しつつ、ママンという名前のクモのオブジェの写真も撮ったりしつつ、適当に時間を調整して会場へ。受付ではブログ参加者の・・・と申告してカードをもらい、ブロガー席と書かれた一画に案内してもらいます。
森ビル。 クモのママン。
会場はこんなところ。収容人数150名の会場で、そんなに滅茶苦茶広いというわけでもありません。むしろどちらかというと会場の一体感が生まれる程度のほどよい大きさ。大学の大教室よりはずっと狭いです。
正面向かって左手の前から3列目から5列目までの席がブロガー席として確保されていて、そこのあたりだったらどこでも適当に座っていいとのことでしたので、適当に座りつつ、横でノートPCやビデオをセッティングしているご一行が気になったりしました。この方々はNPO茨城県南生活者ネット(KCN)という団体さんで、ネットを通じてのシンポジウム生中継を実行なさっていたそうです。今でもビデオが見られます。
先日のブロガー懇談会でお会いした大塚耕平議員さんや松本剛明政調会長の姿も見え、軽く目礼してご挨拶するも言葉を交わしたりはなし(お忙しそうでしたし)。しかし民主党議員さんはご自分で重そうなカバンを運んでおられたり、また開会前には議員バッジを付けておられなかったりと、何かとフランクな印象です。先日のブロガー懇談会の時もそうでしたが、お互い声を掛け合ってその場で打ち合わせして事を運んでいたりと、仲間意識が強そうな印象を受けます。
そんなことをぼーっと考えている内に、BigBangさんが私の背後に座られたのでご挨拶したり。あと、松本政調会長にもちょっと声をかけていただきました。「また遠くから?」と言われたかなー。そうです。
以下、取ったノートを元にシンポジウムの概要を再構成します。全ては私の記録と記憶に基づいての文章であり、もしかしたら記憶違いなどもあるかもしれないことをご承知おきください。文責はすべて私にあります。もしも誤りなどありましたら、ご指摘いただければ訂正します。
12:35にシンポジウムがスタート。まず民主党の仙谷衆議院議員(プラトン代表理事)から開会の挨拶があります。
「プラトン」設立の経緯、昨年から準備していて岡田代表(当時)の強い思い入れがあって設立されたこと。「プラトン」は(民主党から)独立した法人格であること。仙石議員はその初代理事長として、今この場にいることなどが説明されます。
また外部からも人材を迎え入れ、研究協議会の形で、政策のストック、人材のストック、人材のネットワークのストックを行っていきたいという話を。
野党であるからこそ出来ることがあるということ。政策を根拠づける理念や哲学を持つべきだということ。
霞ヶ関(官僚)の限界が大きく見えてきたこと。今の時代、官僚が作り出す政策は机上の空論になっていないか、本当の意味でプロフェッショナルを作り得ていたのか?という問題提起。霞ヶ関に依存する政権であってはならないという決意の元に、断絶と刷新を掲げ、国の形が今のままでいいのか、「自己統治の形」として独自に政策をストックしていくためにこのシンクタンクを設立したということが語られます。
ついで松本衆議院議員(民主党政調会長)からは、形としては来賓挨拶とのことでしたが、ご自身の立場から民主党とプラトンの関係について、民主党がプラトンに期待することを話したいとのこと。当面財政的には(民主党が)支援していくが、テーマや中身にまでは口を出さないという基本方針が説明されます。
そしてやはり、今までは霞ヶ関がシンクタンクで政策の仕込みをやっていたこと。それ(政策)の取捨選択をするのが政治であり政府であるという形だったこと。しかしこれからは、政策の仕込みは幅広いネットワークの中からやっていきたいという意気込みが語られます。最後にシンクタンクへの願いとしては、今までは現場から離れて業界より(の政策)になっていた。これからは現場の側から発言をして欲しいというお話でした。
まとめると、霞ヶ関にかわる新しい政策提案集団を作りたいということかと思われます。ただこれは、先日の自民党ブロガー懇談会でも中川政調会長が話されていたこととかぶります。
自民党の中川政調会長は
これまでは官僚が最大のシンクタンクだったという話。しかしもう時代が違う、これからはその構図から脱却し、民間が真ん中にきて政治家はその支援をする役割だと思っているということ。シンクタンクのチームも民間からその都度適切な人に入ってもらい、人々が自ら提言し実行していく、政治の企画立案にもその都度出たり入ったり有機的に動いていく(それを政治家がサポートする)、そんな横軸の関係を目指すという話をされました。そして官僚は、そうして決められた事柄の執行機関となると。「政治にそんなにお金は必要ない」という状況を目指すというお話でした。という話を11月1日の時点でなさっています。(上記は私がまとめた記事からの引用です)。
まあざっと見、あまり違わないなというのがここまでまとめての印象です。後々まで話を追っていくと、微妙に違う面も見えてくるのですが。
またお二方のお話の後で、進行役の松井孝治参議院議員から、ネットワーク型のシンクタンクといっても、イコール民主党そのものにコミットするわけではないこと。今回様々な立場の方にパネリストとして出席してもらいますし、またシンクタンクにも色んな人に加わってもらいますが、その方々の政治的・社会的・経済的立場をしばるものではないことが、ここで一言断られます。
このあたりはまだまだ序盤戦で、こちらとしても様子見な姿勢。
会場でも、この前自民党さんが言っていたことと重なるなー、ということはこれからの潮流になっていくんだろうなーなどと思いつつ、民主党と自民党の違いはどこにあるのか、あと民主党とこの「プラトン」シンクタンクとの関係性が今ひとつ明らかではないような?とか考えていました。
シンクタンクは参加者の政治的その他の立場をしばるものではないこと、またお金を出すといってもシンクタンクの出す結論を誘導したりはしないということは、とても大切な事だと思うのです。だけど「プラトン」が民主党シンクタンクである以上、民主党の方針とまったく無関係というのもそれはそれで意味がないかと。
例えば「何を考える(研究する)か、テーマは民主党が決めるが、議論や結論に対してはまったく口をはさまない(フリーハンド)」とか言われたら、分かりやすいのですね。でも(大まかに)お金は出すけど口は出さないと言われても、却って戸惑ってしまう部分もあるのです。
このシンクタンクと民主党の関係性、距離感については、微妙な部分でありこれからも大きなテーマとなっていく部分であるように感じられました。
続きます。
参照リンク:
Big Bang:民主党シンクタンク「プラトン」設立記念シンポジウム---(2)開会~第1セッション
実況ブログ:オープニング
トラックバックセンター:民主党シンクタンク「プラトン」設立記念シンポジウム
*民主党の仙谷由人衆議院議員(プラトン代表理事)のお名前を、誤って仙石と記載していました。お詫びして訂正いたします(記事では直っています)。失礼致しました。
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