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スクープは作り上げていくもの ~ブロガー懇談会に臨む姿勢 [ブロガー懇談会関連]

 前回の民主党「プラトン」記まとめで、「民主党の行動にはメッセージ性がない」と批判して、じゃあ自分の行動にメッセージ(明確な意志)はあるのかという自省をしたので、ここでちょっと説明を試みてみようかと思いました。私がなぜ、一連のブロガー懇談会関連に首を突っ込んでいるのか、またどういう方針に基づいて行動しているのかの説明ですね。

 私がブロガー懇談会に臨む姿勢としては以前に一度「ネットはネット内で完結してはいけない ~ブロガー懇談会に期待すること」という記事にしたことがあります。そちらも参照していただきたいのですが、これはジャーナリズムというよりそれ以前の部分で、ネットとリアルがどう関わるべきか自分なりの展望を述べたつもりでした。
 それを前提として、私が今のブロガー懇談会に代表される、政治とネット(ブログ)との関わりに関する一連のムーブメントに首を突っ込んでいる最大の理由は、ネットジャーナリズムというものの確立に自分も携わりたいという思いです。
 まあそんな偉そうなものではないのですが、Grip Blogさんの活動を見ていて触発される部分が大いにあり、泉さんの目指されるものに私も協力したいという個人的感情と、そこにプラスして自分なりに考えるネットジャーナリズムの形というものがあり、その理想に現実を少しでも近づけたいという思いがあります。


 ネットジャーナリズムというものを確立するために、そもそもその存在を世に広く認知してもらう事は必要です。存在を認知されなければ取材のアポも取れないなど、こういうものは循環が大切ですから、その最初の転がり始めを作るためにも。現に「まず特ダネ、スクープを掴むことが必要だ」と、泉さんは多くの方に言われたそうですし、今でもそれを求めている感じは大いにします。
 で、ここから先は私の勝手な思いであり、ですから泉さんに期待するのではなく自分で実行しなければと思っているのですが、個人的にはスクープというのは天から降ってくるのを待つだけではなく、自ら作り上げていくスクープの形もあると思うのです。

 例えば、自民党の世耕議員が企画してくれた第1回の「自民党幹部とブログ/メルマガ作者との懇談会」は上から与えられたスクープの形でした(ここではあえてスクープという言葉を広義に使っています)。旧来のマスメディアが入れない部分で独占的に情報を与えてもらったということは、広義のスクープ情報なわけです。ですから実際、これはネット界にそれなりにインパクトを与えましたし、その関連でGrip Blogさんにも飛躍的に注目が集まるようになりました。
 他にもちょっと前のアメリカの事例で言えば、ハリケーン・カトリーナの被災地域に住んでいて、被災地域の真ん中からリアルタイムで現地情報を発信し続けたというのも、手に入れた機会をスクープに変えた事例でしょう。日本でも似たような情報発信の形はいくつもあると思います。
 今現在、話題を集めている「きっこの日記」には、いろいろな見方があり、個人的には私もあれはスクープじゃなくてペイドパブに近い形(情報提供者側が意図的に流したい情報を流している)のだと思いますが・・・、まあそれはここではおいておきます。

 このような天から降ってくる(自分の意志を越えたところで機会を与えられる)スクープの形というのは、やはり水ものです。被災情報みたいなものは大切に発信し、また発信できるということを上手く利用してくべきスクープだと思いますが、それはそれとして、ネット上でプロアマ問わずジャーナリストとして活動して、その中でスクープを定期的に取ろうと思ったら、天から降ってくるのを待つだけでは限界があることは言うまでもないと思います。

 私は今回の民主党「プラトン」シンポジウムの案内をもらったときに、「行くべきだ」と呼びかける記事を書きましたが(参照)、要はそういう事です。世の中、そんなに美味しい話は転がっていない。スクープが欲しかったら、いい記事を書きたかったら、地味に下積みしていって実績を積み重ね実力を養い人脈その他を作り上げていって、アベレージ(打率)を上げていくしかない。
 ・・・なにせ私は根本的に人間(他者)を信じていないので、そういう発想になるのです。


 そのような考えに基づいて描くスクープ奪取の形とは、例えばこのように政治という1ジャンルに絞った上で与えられた機会にはとりあえず飛びつき、全力で自分なりに考える「いい記事」を書き、どんどん実績を積み上げて狙うは「総理とのブロガー懇談会」、もしくは「選挙中の党首討論の場面にブロガー席が用意される」あたりだったりします。
 実際、小泉メルマガでは総理と読者との懇談会(らいおんミーティング)が過去には行われていますので、ブロガー懇談会にいつの日か総理の出席を求めることは絵空事ではないと思っています(小泉総理じゃなくて次の代の首相かもしれませんが)。総選挙中の党首討論・・・はアメリカ大統領選からの発想ですが、前回の総選挙中の各党政策討論会にブロガーが呼ばれたことを考えると、このまま進んでいけばやはり不可能な話だとは思いません。
 これは実現すればそれだけで一つのニュースになるでしょうし、ブロガーが書く記事にも注目が集まるだろうという点で、紛れもなくスクープだと思っています。
(ついでにそれが実現した時、よりよい記事を書くためにも、今から懇談会の形を整えていい質問ってどうやったら出せるのかの模索をしていくことや、シンポジウムや討論会の記事はどういうふうに書いたらいいものが書けるのかの模索をしておくことも必要だと思っています)。

 もう一点、ついでに試みているアプローチとして、「政党側にどんどん提案を行っていく」というものもあります。ブロガー懇談会の今後のあり方(参照)から、懇談会の席上で行った小さな提案いくつか(記者会見は全文ネットで公開してくれとか、地元のイベントに積極的にブロガーを公募で呼んで欲しいとか→参照)から、この前の民主党プラトンシンポジウムで渡してきた提案書まで、下手な鉄砲討ちゃあたるとばかりに、実に様々な提案を「とりあえず」やってみています。
 私が言ったからかどうかは知りませんが、今回の「プラトン」公募のように実現したものもあります。このようにどんどん相手の懐に飛び込んでいくやり方は、ともすれば「距離を失っている」として批判も受けるであろう部分ですが、提案を行う際は常に自分にとっても相手にとっても利益があることは当然のごとく前提として考えていますし、自分が目指すものは特定政党の利益ではなくネットジャーナリズム(の成熟)だという点で一貫しているつもりですので、なんらやましいところはありません。それでも距離を失うことはあり得るでしょうが、そうなったらその時はきっと批判が集中するなどの形でしっぺ返しがくるとの覚悟はあります。

 それで話を戻しますが、このような提案を行っていくことで、それが実現していけば、これもまた「ネット発で政党が動いた」という一つのスクープになるだろうという思いがあるのです。もちろんプラトンにブロガーを公募のような小さなものでは(着実な一歩とはいえ)、スクープとは言えませんが、こちらもやはり提案→実現→成果の循環を積み重ねていくことで、徐々に大きな提案が実現してくことを狙っています。
 私はネットジャーナリズムとは参加型ジャーナリズムであり、また過程を公開していくジャーナリズムでもあると思っているので、こういう形もアリだろうと思っているのです。


 結局何がいいたいかと言えば、「スクープは作り上げていくもの」でもあるという、タイトルに尽きます。そのために私は民主党「プラトン」設立記念シンポジウムに出席し、全力を尽くして自分ならこういう記事が欲しいと考える形の記事を書き、さらに民主党議員さんに提案書も渡してみたりしているのです。・・・これで説明になったでしょうか。

 結局、地味です。上に書いた事が実現したとしても、地味ではあります。華やかなスクープとは呼べないかもしれません。けれども、それでも私はこれは、皆が参加できて皆で作り上げていくネットジャーナリズムならではの新しいスクープの形だと思っていますし、自分が何よりも理想とする社会的豊かさ実現のために無益なことではないと思っています。
 でもまあ、誰かにやってくれとはとても言えないので、自分が突撃してみますとの思いに基づいて、突撃させていただいています。

 というわけで。今後もよろしくお願いします、関係者各位様。


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