ネットで署名を集めて企業に要望を出す(SKY) [その他]
一つ前の記事末尾にも書きましたが、最近は「Sound Horizon」というアーティストが過去に同人レーベルで出したCDの復刻を求める署名活動をやっています。
最初2ちゃんねるで声をかけて、それなりに反応よかったのでたのみこむにて発案。ついでにFAQ等まとめサイトを作ってバナーも作って、ファンサイトを中心に宣伝をお願いする。結構順調に署名が集まってきたのですが、そうなると今度は微妙に責任も感じてきたので、最終的にはレコード会社の方にも「こういう署名を集めました、どうか復刻のご検討お願いします」という要望書を出そうかなと思っています。
この手の活動には、それなりに関わってきた経緯があります。
最初は映画の字幕改善活動で、他には大河ドラマ「新選組!」の完全版DVD発売要望とか、海外ドラマ「ザ・ホワイトハウス」のDVD-BOX発売要望とか。ゲーム「メタルマックス」の続編希望ってのもありました。ちなみにどれも成功しているので、それなりに効果あるんだなーというのが自分の実感です。
発案者(主催者)になったのは今回が初めてですが、今まで色々見てきた&関わってきた経験は結構役に立っています。これからもこういう活動はネットのあちこちで起こっていくだろうし、一区切り着いたあたりで私なりのノウハウをまとめたサイトも作っておこうかなと。
今回の記事はその準備稿みたいなものです。
だいたい、やり方としては以下の通りです。
・下調べする。
・発案する。(署名集め開始)
・まとめサイトを作る。バナーも作る。
・リンク集に登録したり、ファンが集まる掲示板などに書き込んで宣伝。
・ある程度署名が集まったところで、企業に要望書を提出する。
・下調べする。
発案しても署名が集まらないと話になりません。
いざ活動を始めたら発案者がほとんど全ての負担を引き受けるので、きっかけとしては自分にどれくらい熱意があるかが大切なのですが、それはそれとして例えばすでに50の署名があるところで51人目の賛同者になることと、最初の数人の賛同者に加わることでは、後者の方がずっと心理的ハードルは高いのです。署名集めにおける一番の関門は、まず最初の10人の署名を得られるかどうかです。
だから発案を出す前に、ある程度賛同してくれる人の見込みは付けておいた方がいいです。そのためにも情報収集は大切です。
・発案する。(署名集め開始)
署名をどういう形で集めるかというのも、大切な問題です。
特にネット上における署名活動は、一人の人間が複数票入れているんじゃないかという疑念が常につきまといます。それを防ぐためにはメールアドレスを入れて貰ったり、一人一人がきちんと賛同コメントを書くことが大切かとは思うのですが、いきなり見知らぬ相手にメールアドレスを渡すというのは結構勇気がいるものです。
そこで私はたのみこむというサイトの積極活用を提案しています。ここはユーザーからの商品化リクエストを署名として集めて、企業にその商品化の企画を持ちかけるというところ。例としては今回のCD復刻発案ページをご覧下さい。
ここで要望の発案に賛同するには、メールアドレスの登録が必要です。また賛同にあたってはコメントを書く欄がもうけてあります(コメント無しでも賛同できます)。とりあえず、ネット署名集めにおけるテンプレートは満たしているわけです。
さらにたのみこむは企業サイトであり、当然個人情報保護ポリシーなども明記してありますし、どれくらいリクエスト(署名)が集まったかは分かりやすく数字で表示され、部門別にランキングもされます。さらにたのみこむ自体も、企業に対して商品化の企画を持ちかけてくれることになっています。
とりあえずここを使っておけばいいのではないかと思う理由です。
ちなみに発案コメントは端的に分かりやすく要点をまとめて書きましょう。たのみこむの傾向として、ある程度自分の思い入れなども語ったほうがいいです。そのあたりは他の発案ページ(特に多くの賛同が集まっているところ)を見て回って、感覚を掴んでください。
・まとめサイトを作る。バナーも作る。
これは発案とどちらが先でも構いません。
まとめサイトの役割には、大きく2つのものがあります。1つは宣伝のため、もう1つは署名活動に対する質問や不安、要望などの意見に対してきちんと対応して、信頼感を得るためです。
署名集めをしていると絶対に質問が出てきます。今まで見てきた傾向では、「どうせ要望するならこれも入れて欲しい」という「どこで線引きするか問題」と、「本当に発売できるの? 有効なの?」という「消せない不安問題」が主なものです。
このあたりにきちんと答えることは、署名して貰う上でとても大切なことです。そのためにも質問や不安は積極的に聞いて、傾向を分析し情報を集めましょう。大体みんなの疑問点、不安点はある程度まとまったところに集中しますので、それに対する答えはまとめてサイトに載せておいたほうが効率がいいです。
それから署名を集めるためには、こういう活動をしていますよということを、周りにアピールしなくてはなりません。そのためにも一つの専用サイトを作っておく事は有効です。
当然、バナーも作ります。活動の存在を広く知ってもらい興味を持ってもらうためのバナーなので、デザインに凝るよりは分かりやすさを心がけましょう。とはいえバナーを自分のサイトなりブログなりに貼って貰うためには、ある程度「貼りたくなる」デザインにも配慮した方がいいです。
とりあえずサイズは日本標準の200*40のものの他に、もう少し小さなバナーも用意しておくと貼りやすいかと思います(88*31等)。
ちなみに参照:Sound Horizon 同人時代のCD復刻をたのみこむサイト
(バナーのデザインセンスに関しては、突っ込まないで下さい・・・)
・リンク集に登録したり、ファンが集まる掲示板などに書き込んで宣伝。
宣伝に関しては結構難しい問題です。もちろんある程度は積極性を持ってアピールしないといけないのですが、宣伝書き込みというものは営利・非営利問わず嫌われる傾向にあります。
とりあえずは「作品名+サーチもしくは検索」という語句でグーグル検索すると、その作品に関するファンサイトを集めたサーチやリンク集が出てくると思いますので、そこにまとめサイトを登録しましょう。
あとは2ちゃんねるの該当スレでそっと告知したりお願いする事も有効ですが、なにせ2ちゃんねるなので諸刃の剣でもあることは注意です。このあたりは個々の判断で、頑張ってください。
他に大抵その作品に関して中核となる、情報を集めた大手サイトというものがあるものなので、そちらに活動紹介のお願いを出す事も有効かと思います。ただこれは相手の考え、運営方針もあることなので、最大限配慮して行いましょう。相手のサイトを隅々までしっかり読み込んだ上で、メールを出して丁寧にお願いするのは最低限の礼儀です。
発案者は署名集めに関してとかく気が焦りがちですが、そもそも発案に魅力がなければどんなに頼んでも人は集まりませんし、皆が望む案であれば自然と人は集まるものです。
ある程度「どうしようもないこと」があることを理解した上で、気長に頑張ってください。
・ある程度署名が集まったところで、企業に要望書を提出する。
たのみこむ自体が企業に対して企画を持ちかけてくれたりもするそうですが、どういう基準なのか、どれくらいのことをしてくれるのかは今ひとつ不透明です。
署名を無駄にしないためにも、該当企業に対して「こういう署名活動をしました」という報告を兼ねての要望書を出す事は、やっておいて損はないと思います。
要望書は公的な文書ですので、余計な修辞などは不要です。ビジネス文書を書く要領で(検索したら書式なども出てきます)、それにのっとって書きましょう。
まず書くべき事を箇条書きにしてみると、要点がまとまって書きやすいかと思います。
とはいえ「ファンの声を企業に対して送る」文章でもありますので、余所の要望書を丸写しにしたりするのは御法度です。ちゃんと自分の言葉で書きましょう。
どこ宛に出すかも重要な問題です。これは一例ですが、作家やアーティストがそれを作りたい出したいと思っていても、出版社など企業がゴーサインを出してくれないとどうしようもないということは多いです。
企業に送るなら送るで、どこの企業に送るのかとか、どの部署に出せばいいのかということは、個々のケースにもよる難しい問題です。こればかりは情報収集を頑張るしかありません。
なお、企業に対する要望活動では、署名集めと平行して個々人それぞれが企業に対して電話やメール、手紙などで要望を送るということも推奨されたりしますが、私個人としてはこれは微妙な部分だと思います。
ネット上の活動というものは加熱しやすく、それぞれがバラバラに要望を送るとなると、さらに統制が取れずに問題も起こりやすくなります。感情的で居丈高なメールや電話をすることは、要望をする上ではむしろマイナスになるのではと思います。また、これは実際何度も見た事ですが、「自分個人でも企業にメールを出そうと思うので、見本になる文章を考えてくれ」なんてこともあります。複数の人間がまったく同じ文面でメールなり手紙なりを送っても、効果としてはまた相手に与える心証としてはどうなんだろうと思います。
個々にメールや手紙を送るなら送るで、きちんとガイドラインを作って節制のある行動を取る事は最低限必要なのではないかと考えています。
なお、これは放送局に対する場合ですが、お客様の声として重みがあるのはハガキ>電話>メールの順だそうです。やはり送るのに手間がかかっているものほど、重要視されるみたいです。郵便で出す場合は封書よりもハガキ一枚のほうが、部署でも回しやすく扱いやすいので喜ばれるようです。
とりあえずこんな感じです。要望書には回答期限を付けた方がいいのかとか、まだ考えている部分はあちこちありますが、ざっと書き出してみました。
まあとにかく、私としては目の前のSound HorizonCD復刻運動が成功してくれないと(最低でも署名集めと要望書提出はやらないと)、偉そうなことは言えないので動けないのですがー。
頑張ります。