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「カドゥケウスZ 二つの超執刀」:リアリティの光と影 [ゲーム]

 これは任天堂の据え置きゲーム機Wii用に発売されたゲームソフトです。元はNintendoDSで、隠れた名作と評判高かった(日本ではあまり売れなかったけど、アメリカでヒットした)、手術アクションゲームの移植+新要素です。
 とはいえ、DSはタッチペンによる操作、こちらはWiiの画面ポインティングシステムを使った操作と、インターフェースはかなり変わっていますけれども。私も最初、それが心配でした。画面上で手術をするからには、繊細な動きが必要とされます。それにはやっぱり、手をしっかり固定して使えるタッチペンの方が向いているのではないかと。
 結論から言えば、心配は杞憂でした。ポインティング自体の精度の高さと、適度な調節がなんらストレスを感じさせません。Aボタンと背後のBボタンを押してピンセットでつまむ感覚などはWiiリモコンならではですし、あとなんといっても、メスで切った時、ドレーンで吸引したとき、手に振動の形でフィードバックがくるということは大きいです。
 ・・・これにより、間違えたところを切ったときの「あちゃー」感も倍増しております。

 そう、このゲームは、非常に面白い反面、非常に心にくるゲームでもあります。手術をしていくということで、失敗するということはつまり、患者が死ぬということなのです。ゲーム内ではそのあたりぼかして描いていますが、やっぱりそういうことだよなーと思わずにはいられない。実際のところ、バイタルサインは低下して警告音が鳴り響き、画面上は裂傷だの血だのでひどいことになっていますから。
 画面としては、リアリティと適度なぼかし感がバランスをとり、グロイと思う人は思うでしょうが、そう気にならないレベルには抑えられています。傷なども一つ一つ形が違うわけではなく、裂傷なら裂傷と、おそらくあえて同じ形にしてあることは、適度な「記号」感をユーザーに与えて、バランスをとっているのでしょう。
 しかし、この独特の没入感は、やはり題材が「手術」であるという、その部分にあるんだろうなと思います。


 とはいえ、一方ではこのゲームは「今時珍しい正統派アクションゲーム」として作られた事情もあります。
 そのため難易度は非常に高いです。イージーモードで普通のゲーム並といったところ。ノーマル以上に挑もうというならば、左手のヌンチャク8方向選択で即座に器具を切り替え、右手に持ったリモコンで迷うことなく患者を切って縫って吸ってという作業が必要になります(手は逆でもかまいませんが)。
 このヌンチャクのスティック8方向入力で器具選択というのも、Wii移植ならではの要素で、またかなり快適だったりします。8方向もそれぞれに対応する器具を覚えるのは大変じゃないかと思っていましたが、実際はそれほど苦労した覚えはありません。結構序盤から、どんどんすべての器具を使っていく方向なんですけどね。このあたりにも細かい調整のあとが見て取れます。

 ただやはり難点があるとしたら、それはリアリティがもたらす光と闇だろうと思うのです。
 ゲーム的にリアルな手術だからこそ、達成感は非常に大きいです。それは患者を救えたという達成感です。難しいゲームをクリアしたという達成感は、実のところ二の次なのです。
 しかしこれはアクションゲームとしてデザインされました。そのためか、後半に行くにしたがって、未知のウィルス「ギルス」との戦いという面が強くなってきます。そのため手術内容はSFっぽくなり、どんどん日常的な手術からは離れていくのです。私はここに多少のひっかかりを覚えずにはいられませんでした。
 「記号」の域を超えて、アクションゲームの「悪役」っぽいギルスと戦うことは、前半、歌うたいの青年の喉のポリープを手術したとき以上の達成感を与えてはくれません。ユーザーはいやでもこれをアクションゲームとして、エコーやメスを武器に敵に立ち向かうことを要求されます。ここで多少、意識の切り替えが必要です。
 ・・・でもやっぱり手術に失敗するということは、患者が死ぬということなのです。

 ゲームとしては丁寧に作られ、ゲーム機の利点も存分に生かし、画面デザインにも細心の注意が払われているからこそ、あとはストーリーや設定、ユーザーのモチベーションのありどころをどう捉えて、また導くかが課題かなと思いました。
 そのためにも是非次回作は作っていただきたいです。正統派手術ゲームとして進化するのか、あくまで未知のウィルスと戦う要素を重視するのか。悩ましいとはいえ、逆に言えばそれは両方に充分な可能性があるということですから。
 手術に失敗して患者を死なせて落ち込みつつ、それでもまたゲームを起動して立ち向かわずにはいられない、それだけの面白さが確実にこのゲームにはあるので。

カドゥケウスZ 2つの超執刀

カドゥケウスZ 2つの超執刀

  • 出版社/メーカー: アトラス
  • 発売日: 2006/12/02
  • メディア: ビデオゲーム

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NO NAME

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