異能の力:「新選組!」最終回 [テレビ番組]
大河の最終回は、なんだか最後まで前のめりでした。それもまた新選組らしく、そして三谷脚本らしく。最後までまぶしいくらいに輝いた、素敵な、切ない大河でした。
局長が捕まって処刑されるという状況に、一人だけ、死ぬと分かっても刑場に突撃してきた捨助の行動が唐突に感じたのですが、思えばその方が自然なんですよね。「どうせ彼は助からない。それなら俺達は他に出来ることをやろう」というある種割りきった思考よりも、「彼は助からない、じゃあ俺達も一緒に死のう」という玉砕思考のほうが新選組らしく感じます。でも土方や残った幹部隊士がそうしなかったということは、周りの状況や投降していく局長が残したものや、幕府が崩壊を始めた終盤になってさらに変化した彼ら自身の成長もあったんだろうなと。
しかしどんなに成長しても、彼らは結局終末に向かってひた走るわけですが。そこが新選組という組織の面白いところです。
幕末には他にも、もの凄く頭がよかったり、もの凄く行動力があったり、とても先見性が高かったりして、だけども「幕府が滅ぶ」という一点だけは見ることが出来なくて、才能を散らしていった人が沢山いたような気がします。
結局、世を改革する力というのは、その人の他の素質とは全然関係なく唐突に存在する、それ自体で完結した一つの能力なんだろうと思うのです。